製造業
有限会社ともやすアンドカンパニー
立川商工会議所ニュース2024年6月29日号掲載
世界各国の人が学びに訪れる、蜜ろう彫金教室
扉を開けると目に飛び込んでくるのはレトロな雰囲気を醸し出すアトリエ。歴史が染み込んだ空間で日々丁寧な作業が行われています
蜜ろう彫金教室へ行くために、海外から立川を訪れる人々がいるといいます。教室を運営しているのは上砂町にある㈲ともやすアンドカンパニーです。
同社は友安花乃社長の両親が1972年「アトリエA&Mともやす」としてスタートし、オリジナルジュエリーの制作・販売、全国百貨店・専門店でのジュエリー展出展、環境造形・その他造形活動などを行っています。
その中で、蜜ろうを原型に用いた鋳造によるジュエリーの創作が海外の人の目に止まり、実際に教室で学んだ人が高い技術を持つ工房としてSNSでシェアをすると世界中に拡散。ちょっと体験したいという観光的な意味合いではなく、各国でジュエリー制作を行う人々が本気で教えてもらうために立川に滞在し、もちろん日本国内から訪れる人々もいるので地域経済の活性化に寄与しているといえます。
「わたしたちのジュエリーや造形したものを知っていただく機会を増やしたい。気軽にアトリエにお越しください。昔使っていたジュエリーの修理やサイズ変えなども歓迎です」
と友安社長。
同社がジュエリーで使う蜜ろうはミツローと呼び、蜜ろう(ミツバチの巣から採れる蝋)と松ヤニを混ぜて煮て造形に適した素材にしたもの。適温に温めると、しなやかで伸びやかな造形表現になります。興味がある人に向けた体験教室も実施中で、蜜ろうでリングの元になる形をつくり、シルバー加工と仕上げは同社のクラフトマンが行って1 ヶ月前後に発送してくれます(海外への発送は不可)。7,700円(基本材料費、工具使用料、講習費を含む。税込み)。
クラフトマンが作業する様子。原型として使う蜜ろうが生み出すふくよかなまるみ、流れるような自然の表情を大切に生かしてつくります来客を「いらっしゃいませ」と迎える笑顔が爽やか