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製造業

佐竹特殊鋼株式会社

立川商工会議所ニュース2024年10月26日号掲載

創業50年、強みは高度化・多様化するニーズへの対応力

iPadを工作機械につけて、加工センターの受注状況の見える化を実現。顧客満足度と社員の業務効率の両方をUPさせました。

半導体関連機器、通信・医療機器、ロケットや航空機などの特殊な鋼資材の提案・確保・製造・加工・品質検査・納品を社内一貫生産で行う佐竹特殊鋼株式会社。11 月で創業50年、変わりゆく社会状況に柔軟に対応し顧客との信頼関係を構築し続けています。

社内一貫生産は、発注する顧客には業務効率が上がりコスト削減になるメリットがある一方で、受注する生産現場は時代とともに高度化・多様化する需要に応えるべく設備の刷

新や現場のDX化(データとデジタル技術を活用して業務を効率化)など進化し続けなければなりません。同社では2年かけて準備をし、昨年9月に加工センターの受注状況の見える化を実現。納期の確認漏れなどを未然に防ぐためです。「iPadを工作機械につけて、受注データを各機械に流し作業者は日付ごとの受注状況や納期を把握します。紙の受注書だと積み上がると埋もれて確認漏れの可能性がある。DX化で防ぐことができます」と話すのは佐竹昌史代表取締役。

 

さらに昨年12月に24時間稼働可能な工作機械を導入し、夜間運転で残業時間を短縮。今年8月には素材倉庫の在庫を二次元バーコードで確認できるプロジェクトがスタートしました。「問い合わせや受注があった際、膨大な在庫確認を作業者が実務と並行して行うとお客さまとのタイムラグが起きる。また、在庫確認は新人には難しく育成期間が必要です。二次元バーコードで瞬時にわかれば誰もが対応でき業務の効率化となり、迅速な顧客対応にも繋がります」。

DX化で生産力を強化すれば会社の利益になり、効率化で残業が減少すれば社員のためにもなる。人手不足はどの業種でも課題ですが、同社では働き方改革を率先して行い、その魅力や取り組みをホームページで発信。動画で会社の様子を伝えたり、社員の1日をスケジュールで紹介するなどわかりやすく伝えることで職住近接を希望する地元在住の社員が増加。「今年は50周年だから何か特別なことをしよう!ということはなく、オフィスの内装を変えたりPCを新しくするなど社員のモチベーションがUPする環境を整えられたらと思っています」。