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飲食業

酒処 石臼挽き やぶそば

立川商工会議所ニュース2025年5月31日号掲載

何度食べても美味しいを提供し続け52年

右から2代目店主の中村(まさひろ)さん、母・径子(みちこ)さん、父・(ゆうこう)さん

 多摩モノレール「泉体育館」駅から徒歩2 分の「酒処 石臼挽き やぶそば」(立川市柏町1-7-8)。1973 年(昭和48年)に創業して52 年。現在は2代目店主の中村(まさひろ)さんが初代ご夫妻のご両親とともに切り盛りされています。

 

 
 

 真啓さんは新橋の手打ち蕎麦「本陣房」で修行、2011年から同店で働いています。2000 年頃までは出前や蕎麦+丼の定食がメインでしたが、真啓さんが新たな蕎麦打ちの技術や蕎麦とお酒のペアリングなどを学んだことから、群馬赤城深山山麓の「赤城深山ファーム」で栽培された希少な無農薬栽培の蕎麦の実を石臼で製粉する、日本酒の数を増やす、お酒に合ったメニューを増やす、といった試みをしてきました。

 同店の蕎麦は、うまみと香りが強い無農薬栽培の蕎麦の実から作る二八蕎麦。この美味しい蕎麦はもちろん、カツ丼を注文する人も多いといいます。その理由は蕎麦汁のもととなる「返し」と呼ばれるタレ(調味料)。蕎麦屋で「返し」は店の命ともいわれ、毎日継ぎ足して使い続けることで店独自の味が育まれていきます。同店の「返し」も創業時から継ぎ足しており、蕎麦汁だけでなくカツ丼や天丼などのタレとしても使用。この贅沢で芳醇な出汁が加わることで、他では味わえないカツ丼となるのです。

 「こだわりとか、そういうのはないんですよ。毎日美味しいものを提供するだけです」と穏やかに笑う真啓さん。「こだわりのなさ」は、「本質を見失わない」ということ。同じ場所で50年以上お店を構え続けている秘訣はきっとそこにあるのでしょう。これからの季節は、旬の夏野菜を使った天ぷらや、冷たい蕎麦がおすすめです。

 

創業からのノウハウを活かし革新的な製品開発にも力を入れていく


毎年人気の「初夏の野菜天もり蕎麦」もまもなく始まります